2014年2月7日金曜日

SDカードとD600/SanDisk Extreme, Transcend Speedtest

SD card Speed Test, CrystalDiskMark 3.0.3

SDカードのスピードを比較してみた。


  • 連射するけどマイクロフォーサーズなど一枚あたりのファイルサイズが小さい人→Transcend 600x
  • 連射するけどJPEGで撮る人→Transcend 600x
  • カメラは何にせよ連射しないJPEGな人→Class10ならなんでもいい
  • フルサイズで連射しない人→Transcend 600x
  • フルサイズで連射する人→Sandisk Extreme or more


Introduction

最近のデジタル一眼レフカメラのデータ増量スピードは非常に早い。画素数の増加スピードだけでなく色の情報量も増えてきた。JPEGは8bit可逆圧縮であるが、D600では14bitロスレス圧縮となっている。現像時に露出を補正できるというものがあるが、暗所など一部の階調を反映させたい時などに情報量が多いRAWデータは有効である。これは8bit x3原色のjpegと比べて14bit x3原色のRAWでは情報量が桁違いにおおきくなるためである。
 しかし、8bitのJPEGから14bitのRAWになると、ファイルサイズも大きくなる。そのため、連射した後にSDカードの書き込みにとても時間がかかるようになるという問題がある。フル連射をし続けることは少ないが、2~3枚ずつの間欠的な連射を繰り返した場合には、一時的に写真が書き込まれる場所、バッファからSDカードへの書き込み時間が重要になる。たとえば、D600のRAWは一枚30MB程度であり、一秒間に5.5枚撮影できる連射速度である。すなわち一秒間に160MB程度のファイルが作成されることになる。これは、ビットレートに換算すると、1.3Gbpsであり、フル連射することはあまりないが、動画撮影よりも遙かに大きな転送レートが必要になることがわかり、なおかつ、SDHCカードクラスのClass10でも満足な写真の連射速度を得ることは困難ということがわかる。
 SDカードいろいろな種類のが売ってある。高速なことで有名なSanDiskのSDカードはとてもたかいので、Transcendの高級SDカードが使えればとてもハッピーである。そのため、D600で使うSDカードを選ぶために、CrystalDisk MarkをつかってSDカードのスピードを測ってみた。

Method

  • 測定機器:USB3.0のカードリーダ(バッファロー)
  • ファイルサイズ:50MB, x3
  • OS: Windows8 (Let's note CF-SX3)
  • Transcend Class 10, 32GB
    • TranscendのClass10の通常パッケージ

  • Transcend Class 10, 600x, 32GB
    • TranscendのClass10のより高速ver. 
    • 商品紹介には「転送速度90MB/s」と記載されている。
    • 通常バージョンよりも若干高いがSanDisk Extreme Prpよりも非常に安い。

  • Sandisk Extreme Class10, 32BG
    • カードに45MB/sの記載がある。たしかAmazonで購入した輸入パッケージ。
    • 今はAmazon限定パッケージとして販売されており、案外安い。

測定機器にはUSB3.0対応のSDカードリーダーを使用した。このカードリーダーは手元のカードリーダーで最も高速な物を選択した。テストに使用するファイルサイズは大きく回数も多い方が正確な結果が得られるが、写真を想定していたことと、めんどくさいので上記の設定で行った。

Result and Discussion?

冒頭のグラフがその結果である。
 書き込み速度と読み込み速度について、Transcendの二枚は大きく異なるが、Sandiskのものは同じ程度の速度が出ている。また、一般的な傾向として読み込みの方が速く、高速化しやすいことが推察される。
 SanDisk Extremeについては書き込み速度と読み込み速度がほぼ同じで、ほぼカタログスペック通りという結果になった。読み込み速度/書き込み速度で比べてみると、Transcendのカードはほぼ2となるがSandiskのものは1程度である(data not shown)。NANDフラッシュの仕様なのか、コントローラーの仕様なのかはよくわからないので他のメーカーのSDカードの仕様を調べてみる必要がある。たとえばPCへの読み込み速度を重視する場合については、高価なSanDiskのSDカードを買う必要はないといえよう。
 Transcend 600xは、読み込みは90MB/s近くでており、これはSanDisk Extreme Proのカタログスペクに匹敵する速度であるが値段は半額以下である。しかし、書き込み速度は40MB/s出ておらず、カタログスペックが45MB/sのSanDisk Extremeに負けている。それでもSanDisk ExtremeよりもTranscend 600xのほうが割安である。
 なによりも書き込み時の速度を優先する場合には、SanDiskのカード一択となる。しかしTranscendのカードは、読み込み速度と書き込み速度の乖離が大きく、読み込み速度の割にはSanDiskのカードよりも安い点がSDカード購入時のポイントになると考えられる。
 この結果から、SanDiskのSDカードは書き込み速度と読み込み速度の乖離が少ないとかんがえられるが、より高価なSanDisk Extreme Proについても同様の結果が得られるかどうかはわからない。

Conclusion

一般的にSDカードは読み込みの方が書き込みよりも高速化しやすいと推察される。Transcendのカードについてはその傾向が顕著である。デジカメで使用することを考えた場合、「連射の有無」、「カメラの画素数」、「RAW or JPEG」この三つのパラメータがSDカードの書き込み速度に対する要求に影響すると考えられる。

 まず初めに、連射を行わない場合には、RAWで撮ることが多くとも、カメラの画素数が多くとも書き込み速度は致命的な問題にはならない。しかし、カメラの画素数、撮影フォーマットによって一枚あたりのファイルサイズが大きくなると、PCにデータを読み込む時間がかかりすぎることによるイライラが募るので、読み込み速度を重視してカードを選ぶのがより幸せに近づけると期待される。ただし、ブラケット撮影を多用する場合には、カードへの書き込みに時間がかかると煩雑なので、普段は連射を行わない方でも速いカードをおすすめする。

★連射をしないひとは、安くて読み込み速度が速いTranscendの高速SDカードをおすすめ


 RAWで連射をする場合、この場合が一番お金がかかる。TranscendのSDカードは書き込み速度が遅いため、同じ程度お金をかける場合には、SanDiskのカードを購入することをおすすめする。ただし、現在の高速なSDカードへの書き込みの規格である、UHS-Iの最高転送速度は104MB/sである。次の世代になったとしても転送速度がいきなり10倍になるとは考え難い。D4しか対応しているカメラはないが、2.5GbpsのXQDカードの方向性は間違っていないといえる。

★RAWで連射する人は、書き込み速度が速いSanDiskのカードがおすすめ。少しでも速いカードにした方が幸せだろうけど、どのみち無限に連射できるSDカードは当分出来なさそう。


 JPEGで連射する方については、普段撮影するシチュエーションでJPEGのファイルサイズがどの程度になるかをリサーチすることをおすすめする。カメラの連射速
度とSDカードへのアクセス速度をしらべて、カメラが一秒間に何MBのデータをカードに書き込めるかを調べるとお得なお買い物を出来る。たとえば、SanDisk Extremeは一秒間に40MB/sは安定して書き込めそうである。一秒間に5連射できるカメラを使うのであれば、JPEG一枚あたり8MB以下であればバッファをフルにすることなく、理論上は絶え間なく連射し続けることが可能になるはずである。

★JPEGで連射する人はちょっと電卓をたたいてみよう。

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